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司法書士1名の求人募集を開始しました。(わかば八戸)
- 2022.07.15
わかば事務所のSNS - 投稿者:わかば法務事務所
2022年3月より、地元紙であるデーリー東北新聞の「知見創見」というコラムを担当することになりました。2015年〜2017年も担当していましたが、出戻りです。同じ記事ですがこちらにも転載します。18歳を狙った悪徳業者は必ず暗躍します。気をつけてください。
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『4月1日、大人になる君へ』
18歳の君。今は子どもだけど、令和4年4月1日午前零時、君は大人になる。
大人ってなんだろう。いつ大人になるのだろう。大人になったら責任ある行動をと言われるけど、「責任ある行動」ってなんだろう。就職してお金を稼ぐこと?自立して一人で生活すること?結婚して子どもに恵まれること?親に生活費を仕送りすること?答えを見つけることができないうちに、働いていなくたって、自立出来ていなくたって、寝ていたって、自然に大人と呼ばれる存在になっていく。
ピーターパンのように子どものままでいられるネバーランドは用意されていない。大人になることについて漠然とした不安を抱く子もいるかもしれない。ただ、子どもと大人の境界線はあいまいで、大人っぽい子どもがいれば、子どもっぽい大人がいるように、その時々の行動を切り取り、「それは大人とはいえない行動だ」と言われる存在になっていく。そして年を重ねるにつれて、いつしか常に大人としての振る舞いを求められるようになる。「まだ子どもだから」との許しを得る機会がなくなる状態を世間一般には大人と呼ばれる状態なのだろう。
しかし法律上の大人の定義は毛色が違う。平成30年6月に成年年齢を20歳から18歳へと変更する民法改正がなされ、本年4月から施行される。つまり、令和4年4月1日に18歳の人は法律上大人となる。18歳の人も、人生のベテランである60歳の人も同列に扱われる。大人になると一人でできること(契約)がたくさん増えてくる。例えば、スマホを契約したり、アパートを契約して一人暮らししたり、嗜好品を大人買いしたり、バックパッカーとして世界中を旅してみたり、誰かと結婚したり。反面、大人となったことでできなくなることもある。未成年者が親権者の同意を得ずに契約した場合には、民法で定められた未成年者取消権によってその契約を取り消すことができるが、大人になって結んだ契約は一方的にやめることができない。
Aは自宅でスマホを見ていたとき、キレイになるサプリが1円で売られていた。説明文をよく読まずに購入ボタンをポチッと押してしまった。後に送られてきたメールには、サプリの定期購入手続が完了したと記載されており、初回は1円だが、2回目から毎月5万円の支払いをしなければならず、1年間はやめられないと書かれていた。Aが17歳の子どもであれば、親権者による未成年者取消権を行使して契約をやめることができる。一方で、Aが18歳の大人であれば、契約をやめることはできない。お金は何とかして支払わなければならない。「よく読んでなかった」「お金がない」なんて言い訳は通用しない。大人としての責任を果たさなければならない。
私の事務所にももっと早く相談に来てくれていたらより良い対応できたと思う人は多い。人生につまずいた時、行き先がわからず一旦立ち止まった時、その道の専門家に相談して欲しい。これからの人生、一人で解決できないことは思いのほか多いのだ。いかなるトラブルも一人で考えて一人で行動するのが大人の対応ではない。トラブルの種類によって、適切な専門家にアドバイスを求め、歩むべき道を自ら決定することこそが大人の対応である。
かつてルソーは「私たちは無知によって道に迷うことはない。自分が知っていると信じることによって迷うのだ。」と言った。失敗を重ねて人生が豊かになっていく寅さんみたいな生き方も憧れるが、法的トラブルはそうもばかり言っていられない。
「相談する力」を身につけよう。いつか訪れる人生の窮地から脱する力となるはずだ。
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