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前置き
先日、「XF35mm F2 R WR」と「EF-M32mm F1.4 STM」の比較という記事を書きました。 意外と「EF-M32mm F1.4 STM」(以下「EF-M32mm」といいます。)の実力が高いことが分かったので、他のレンズと比較するとどうなるのか、興味が沸いてきました。 そこで、保有しているもう一つの標準単焦点レンズである、「Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA」(以下「FE55mm」といいます。)との比較を試みてみることにしました。 以下、EF-M32mmは「EOS Kiss M」、FE55mmは「α7 III」を用いています。
比較画像
↓ EF-M32mm/f1.4 FE55mm/f2.0↓
↓ EF-M32mm/f2.0 FE55mm/f2.8↓
↓ EF-M32mm/f2.8 FE55mm/f4.0↓
- 以上の写真は、三脚に乗せた状態で絞り値を変えながら撮影しました。 今回は、機材チェンジに際して三脚は全く動かしていませんが、画角の違いなどにより、構図は機材ごとに若干の差があります。
- 条件を合わせるため、いずれもRAWで撮影し、Lightroomで見た目の露出を揃える程度の調整をしました。 今回はいずれの機材も2400万画素です。
- センサーサイズの違いがあるので、同じ絞り値で比較するのではなく、FE55mmについては一段ずつ多く絞った写真を比較対象としています。
- AFは、犬のヌイグルミの瞳に合わせています。
ボケの比較
以下の画像は、前掲の「比較画像」の一部を切り出したものです。 今回は、画素数が全て一緒になるようにトリミングしました。ただし、換算焦点距離の違いより、写っている範囲は機材ごとに若干の差があります。
↓ EF-M32mm/f1.4 FE55mm/f2.0↓
↓ EF-M32mm/f2.0 FE55mm/f2.8↓
↓ EF-M32mm/f2.8 FE55mm/f4.0↓
- ボケ量については、両機材の差は1段どころじゃないですねぇ。「EF-M32mm/f2.0」と「FE55mm/f4.0」あたりが同じに見えますので、両機材のボケ量の差は約2段分ということになりそうです。
- そういえば前回の比較でも、EF-M32mmのボケ量が小さかったのですよね。 もしかしてEF-M32mmって、「数値上の絞り値よりも暗めに写る」、とかいうことがあるのかな?と疑ってしまいましたが、各写真のISO値などを比較しても、特に問題はなさそうです。
- FE55mmはやはり年輪ボケがありますね~。遠目にはあまり気になりませんが、拡大すると目立ちます。 対して、EF-M32mmはほとんど非球面レンズの影響が感じられません。
- 口径食(ボケがレモン型になる傾向)は、EF-M32mm/f1.4で目立つようです。 また、EF-M32mmは、絞っていくと、ボケの形状が若干、角張ってくるようにも感じられます。 玉ボケの「形状」だけで言えば、FE55mmの方が安定して円形を保っているので、パッと見、雰囲気がよい感じです。
ピント面の比較
↓ EF-M32mm/f1.4 FE55mm/f2.0↓
↓ EF-M32mm/f2.0 FE55mm/f2.8↓
↓ EF-M32mm/f2.8 FE55mm/f4.0↓
- 意外にも、FE55mmの方は、f2.0だと若干、解像が甘いように思えますね。絞るごとに鋭さが増していくことが感じられます。
- それに対してEF-M32mmは、開放でも絞っても安定した解像力ですね。これは地味に凄い。
- 解像のピーク同士で比べると、さすがにFE55mmが一枚上手のように見えますが、EF-M32mmもそんなに見劣りしないように思えます。開放同士で比べれば、むしろEF-M32mmの方が優れているかも?
比較のまとめ(私見)
↓ EOS Kiss M + EF-M32mm α7 III + FE55mm↓
- 比較作業の前は、FE55mmが圧勝するだろうと思ったのですが、意外や意外、EF-M32mmが大健闘でした。
- この撮影条件ですと、ボケの大きさと、形状が整っているという点で、FE55mmの写りの方が好印象でしょうか。 しかし、もっと玉ボケが目立つような場面などでは、EF-M32mmのボケ味の良さが威力を発揮するかもしれません。
- 経験則的には、α7 III+FE55mmのセットの方がAFの歩留まりがよく、何かと安心感があります。 しかし、EOS Kiss M+EF-M32mmのセットの軽さ、コンパクトさは何物にも代えがたいメリットです。 写りに大差が無いとすれば、後者を積極的に選びたくなる場面が多そうですねぇ。