青森県内の司法書士有志で組織する、司法書士事務所の広域ネットワーク

ブログ・ SNS

HOME > ブログ・ SNS > 「X-T30」モニター、「XF35mm F2 R WR」と「EF-M32mm F1.4 STM」の比較

「X-T30」モニター、「XF35mm F2 R WR」と「EF-M32mm F1.4 STM」の比較

2019.09.14
太田宜邦のblog
投稿者:太田 宜邦

前置き

FUJINON LENS GALLERY」さんの「X-T30 モニターキャンペーン」に運良く当選いたしまして、富士フイルムの「X-T30」と「XF35mm F2 R WR」(以下「XF35mmF2」といいます。)のセットを、約1ヶ月試用させていただくことができました。

現在の私のメイン機材はSONYの「α7R III」および「α7 III」で、サブ機材として「α6400」や、Canonの「EOS Kiss M」(以下「Kiss M」といいます。)などを利用しています。

今回お借りした、X-T30+XF35mmF2は、合計553gと軽く、気軽に持ち歩ける標準単焦点のセットです。 手元の機材で言えば、Kiss M+「EF-M32mm F1.4 STM」(以下「EF-M32mm」といいます。)のセット(合計622g)と位置付けが重なります。

よって、今回のモニター期間においては、この両セットの比較を個人的なテーマとすることにしました。  

比較の主な観点について

私が平常のお出かけに持ち歩くのは、基本的には標準ズームレンズです。動画や、3人の子供たちの記念写真、遠景などはこちらで撮影します。

しかしコンパクトな標準ズームレンズですと、F値が大きめになることが多く、ボケを活かした写真は撮りにくいです。

それを補うために標準単焦点レンズも併用する、というスタンスになるため、単焦点の方の用途としては「スナップ的にさっと撮影するポートレート」となり、主な被写体は「1人でいる状態の子供の表情」ということになります。

そのような理由から、私がコンパクト標準単焦点セットに求めるのは、次のポイントです。

  1. さっとカメラを向けたときのAFの合わせやすさ。特に「顔認識」や「瞳AF」の機能、その精度や速度。
  2. ボケ味とボケ量。
  3. ピント面の解像力の高さ。

以上の点を、主な観点として、X-T30+XF35mmF2と、Kiss M+EF-M32mmとを比較してみました。  

比較画像

↓Kiss M/EF-M32mm/f1.4

 

↓Kiss M/EF-M32mm/f2.0     X-T30/XF35mmF2/f2.0↓

 

↓Kiss M/EF-M32mm/f2.8     X-T30/XF35mmF2/f2.8↓

  • 以上の写真は、三脚に乗せた状態で絞り値を変えながら撮影しました。ただし、機材ごとに三脚穴の位置が違ったり、微妙に画角も異なるので、機材チェンジの際にはおおよそ同じ構図になるように、三脚ごと機材を移動して調整しています。そのため、全く同じ構図というわけにはいきませんでしたが、ご容赦ください。
  • 条件を合わせるため、いずれもRAWで撮影し、Lightroomで見た目の露出とホワイトバランスを揃える程度の調整をし、2400万画素にサイズを合わせて現像しました。
  • AFは、犬のヌイグルミの瞳に合わせています。

? ↓Kiss M/EF-M32mm/f2.0     X-T30/XF35mmF2/f2.0↓

  • こちらは手持ちでラフに撮影したものです。被写体もカメラも動いていますがご容赦ください。
  • こちらも、条件を合わせるため、いずれもRAWで撮影し、Lightroomで見た目の露出とホワイトバランスを揃える程度の調整をし、2400万画素にサイズを合わせて現像しました。
  • AFは、「ツムジ」の部分に合わせています。

 

ボケの比較

以下の画像は、前掲の「比較画像」の一部を切り出したものです。 「だいたいこれで同じかな~」という感じで、手作業で範囲指定してトリミングしてますので、位置も画素数もバラツキがあります。ご容赦ください。  

↓Kiss M/EF-M32mm/f1.4

 

↓Kiss M/EF-M32mm/f2.0     X-T30/XF35mmF2/f2.0↓

 

↓Kiss M/EF-M32mm/f2.8     X-T30/XF35mmF2/f2.8↓

  • ボケ量は、XF35mmF2の方が大きいです。なぜか、1段くらい違いますね。 「EF-M32mm/f2.0」と「XF35mmF2/f2.8」が同じ程度に思えますし、「EF-M32mm/f1.4」と「XF35mmF2/f2.0」もほぼ同等です。 実焦点距離に若干の差があるとはいえ、それだけでは説明できないボケ量の差があるように思えます。
  • ボケ味は、どちらも癖がなく、輪郭も目立たず、年輪ボケも見られず……で、いずれも甲乙つけがたいように思われます。どちらを支持するかは、好みの問題でしょうか。

 

ピント面の比較

↓Kiss M/EF-M32mm/f1.4

 

↓Kiss M/EF-M32mm/f2.0     X-T30/XF35mmF2/f2.0↓

 

↓Kiss M/EF-M32mm/f2.8     X-T30/XF35mmF2/f2.8↓

 

↓Kiss M/EF-M32mm/f2.0     X-T30/XF35mmF2/f2.0↓

  • XF35mmF2も、単体で見ると充分な描写です。しかし、等倍でEF-M32mmと比較すると、一様にXF35mmF2の解像が甘いように見えます。 「ヌイグルミの瞳の周りの毛」や、「ツムジ周りの髪の毛の生え際」などに注目すると、差が分かりやすいです。 対するEF-M32mmは、絞り値にかかわらず、解放f1.4からビシッと解像していてスゴイですね。
  • もしかしたら、解像力の差ではなく、ピント精度の問題である可能性もあります。しかし絞り値にかかわらず同傾向であることを考えれば、やはり解像力の問題だと考えざるを得ないでしょう。
  • また、XF35mmF2の方については、リサイズ現像(2610万画素→2400万画素)していますので、その影響もあったのかな?と疑いましたが、リサイズせずストレートに現像しても、同様の傾向でした。

 

比較のまとめ(私見)

  • ボケ量ではXF35mmF2が優位、ボケ味では同等、解像力ではEF-M32mmが明白に優位、という感じでしょうか。あくまで今回のテストの条件の下においては、という結果ですけど。 レンズの性格的には、今回の「XF35mm F2 R WR」ではなく、「XF35mmF1.4 R」を用意して、F1.4同士で比較してみたかったところです。
  • 上記比較画像に表れないところでは、機材全体の剛性感とか質感や、動体に対するAF追従性能等は、明白にX-T30+XF35mmF2が優れていると感じました。 しかし、逆に言えば、そういうところを多少我慢すれば、Kiss M+EF-M32mmの実力は侮れないな~、ということになります。今回のモニター体験を通じて、自分の機材を再評価することができました。

 

X-T30の感想まとめ

本稿の最後に、X-T30を試用して感じた点を書いておきます。
 

不満を感じた点

  1. フォーカスレバーの位置
    • 頻繁に使うレバーですが、位置が低くて、親指をかなり曲げないと操作できません。
    • もうちょっとだけでも高い位置にあれば、自然なグリップのままで操作できるように思います。
  2. フォーカスモード切替レバーの位置
    • これはX-T30に限らず、富士フイルムのカメラ全般に共通ですし、SONYのカメラの一部でもそうなのですが、フォーカスモード切替レバーを、カメラの前面に設置するのは何故なんでしょうかね?
    • 普通に持っていて現状設定が視認しにくいし、操作もしにくいし、バッグからの出し入れで勝手に設定が変わることもあるし。良いこと無いようにしか思えないのですけど、何かメリットがあるのでしょうか?
  3. 三脚穴の位置
    • 光軸上にあれば理想的だと思うのですが、それはともかくとして。
    • とにかくバッテリーカバーに近すぎるのが不満ですね。三脚穴に、例えばPeakDesignのアンカーマウントみたいな、ちょっとしたものを付けると、それだけでバッテリーカバーを開けられなくなってしまうのは、不便です。
    • コンパクト化を実現するために、やむを得ないところもあるのでしょうけれども……。
  4. オートモード切替レバーの位置
    • エントリーモデルとして必要な機能なのは理解できるのですけれども……
    • あまりにも機材の一等地にありすぎて、ついついレバーを触ってしまい、そのたびに設定が変わってびっくりする、ということが何度かありました。
    • 機能を無効化できたり、他の機能にカスタマイズできたりすると嬉しいな、と思いました。
  5. 動画ファイルの形式
    • これも富士フイルムのカメラ全般に共通ですが、何故MOVファイルだけなのでしょう? きっと、「動画編集のしやすさ」というメリットがあってのことなのでしょうけど……。
    • MOVファイルのままだと、私の愛用しているアプリケーションや、テレビなどで再生できないので、辛いのです。MP4ファイルなどでの記録も選択可能にしてくれると嬉しいです。
  6. クイックメニューの操作感
    • これも、富士フイルムのカメラ全般に共通のことです。
    • Qボタンを押して表示されるクイックメニューは、 変更したい項目をフォーカスレバーで選び、 リアコマンドダイヤルで設定値を変える……という操作方法になりますよね。マニュアル226ページを見ても、そういう理解で間違いないようです。
    • でもこの点、私の感覚ですと、 変更したい項目をフォーカスレバーで選んだら、次には、 「フォーカスレバーを押し込んで設定変更画面に入りたい」のです! そのうえで、フォーカスレバーの左右で設定を変えたい。 他メーカーのカメラの、十字キーの操作って、たいていそんな感じじゃないですか?
    • 現在の仕様ですと、一つの項目を変更するために、親指を、フォーカスレバーからリアコマンドダイヤルに「必ず」移動させなければなりません。フォーカスレバーだけで設定変更を完結できる選択肢も、許容していただきたいところです。
以上、リストアップしてみると、レイアウトなど富士フイルムのカメラ全般に共通の点が多く、「ああ、自分にはフジが合わないんだな……色や画質は好きなのに」と悲しくなってしまいますね(^_^;)
 

満足できた点

  1. AF性能
    • 昔、X-T1を使っていたときの感覚からすると、飛躍的な進歩を遂げましたね。
    • α6400などと併用しても、見劣りを感じません。動体撮影が得意なカメラ、と位置付けて良いと感じました。
  2. 画質
    • やはり富士フイルムの色の良さは格別ですね。
    • 空の色、肌の色。撮って出しのJPEGでこれだけ満足できる仕上がりになるのは嬉しいです。
    • 最後の最後に、何枚か作例を貼っておきます。 いずれも撮って出しのJPEGで、「X-T30」と「XF35mm F2 R WR」で撮影したものです。

 

HOME > ブログ・ SNS > 「X-T30」モニター、「XF35mm F2 R WR」と「EF-M32mm F1.4 STM」の比較

【あおぞら法務ネット】  >トップページ  >加盟事務所  >更新情報  >ブログ  >SNS