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太田の業務日誌/平成25年7月11日
 
【木曜日】
 雨が降り続く一日。
 条件付所有権移転仮登記の抹消登記手続を求める訴訟の、訴状を起案しながら過ごした。
 
 ついこないだ、同種の仮登記の抹消訴訟を、仮登記名義人が別の所有権本登記を受けちゃった、という経緯から「混同」構成で起案したら、不意に裁判官サマから「この混同は、民法179条の混同ですか、それとも520条の混同ですか?」と突っ込まれて難儀したので、今回はより慎重に理論構成している。
 
 今回は未履行のまま放置された条件付売買について、売主側から「時効消滅」を主張する構成だ。買主の何の権利が時効に掛かったのか、慎重に検討しなければならない。
 
 とりあえず、いわゆる「所有権移転許可申請協力請求権」は債権であって、契約成立日から10年で消滅時効にかかるという最判s50.4.11( http://bit.ly/1bqj4Nt )があるので、これを主張・時効援用するわね。
 んでもって、許可申請に協力しないわけだから、農地法上の許可を得られる可能性が消滅したということで、条件付売買契約は停止条件の不成就により……ってあれ、それだと仮登記抹消の登記原因は「条件の不成就」とするべきだったか!?
 
 やべーなー。相手方の一部からすでに、「時効消滅」を登記原因とする登記承諾書を貰っちゃってたよ~。
 ……どうにか平仄を合わせなければ(^_^;)


 
【火曜日】
 死亡者が登記名義人である状態で受任(弁護士さん経由)、まずは法定相続を7件申請し、結果として登記名義人が20人になった状態から売却……という手間の掛かるお仕事が、無事に完了してきた。
 
 太田が自分でやるのであれば、持分移転を繰り返す法定相続7件の、戸籍チェックや相続分計算の時点で発狂してしまったことだろう。
 これを涼しい顔でサラッとこなしてくれた、優秀なベテラン職員に大感謝!(≧∇≦)

【水曜日】
 いわゆる「直接移転」の登記スキーム( http://bit.ly/175a3WK )、当事務所においてもそこそこ取扱い事例がある。頻度としては2ヶ月に1回くらいかしら。
 このスキームに慣れてきたある不動産屋さんから、これを農地についても使えないか?という質問があった。
 
 農地については、そもそも名義人Aが中間者Bに売る契約をしても、農地法の許可を取らないと所有権はBに移転しない。だから未許可の状態でBが最終買主Cに「買主の地位の譲渡」を行い、それをAが承認すればよい。んでA→Cの許可申請と、売渡しを行えばよい。
 農地については、そういう「買主の地位の譲渡」スキームが固まっている( http://bit.ly/1aroxFZ 参照)ので、「直接移転」スキームは馴染まない感じがする……というのが太田の第一感だったのだけれども……。
 
 ググってみると、「直接移転」スキームで全然問題なくできる、という見解もある( http://bit.ly/1arlZYn など)。
 ま、所有権移転の停止条件に、「最終買主が農地法の許可を得ること」という1点を付け加えれば、それで良いのだろうから、使えることは使えるのだろう。
 例えばCにとっては、直接の売主がAになるのかBになるのか?という点は、瑕疵担保責任などの関係で違いが出てくるから、後者となる直接移転の方が好ましいケースもあり得る。
 
 ただ、できるにはできるが、中間者Bが宅建業者で、B自身が農地法の許可を得られる見込みが全く無い、というケースに限っては、マズいことになるかもしれない。
 B→Cの第二契約が、宅地建物取引業法第33条の2が禁止する「他人物売買」の例外に該当せず、同法違反になってしまう可能性があるからだ( http://bit.ly/1arnDcqhttp://bit.ly/1arn9TM など参照)。

 うーむ。もうちょっと検討してみよう。

太田の業務日誌/平成25年7月9日~
 
【火曜日】
 死亡者が登記名義人である状態で受任(弁護士さん経由)、まずは法定相続を7件申請し、結果として登記名義人が20人になった状態から売却……という手間の掛かるお仕事が、無事に完了してきた。
 
 太田が自分でやるのであれば、持分移転を繰り返す法定相続7件の、戸籍チェックや相続分計算の時点で発狂してしまったことだろう。
 これを涼しい顔でサラッとこなしてくれた、優秀なベテラン職員に大感謝!(≧∇≦)

【水曜日】
 いわゆる「直接移転」の登記スキーム( http://bit.ly/175a3WK )、当事務所においてもそこそこ取扱い事例がある。頻度としては2ヶ月に1回くらいかしら。
 このスキームに慣れてきたある不動産屋さんから、これを農地についても使えないか?という質問があった。
 
 農地については、そもそも名義人Aが中間者Bに売る契約をしても、農地法の許可を取らないと所有権はBに移転しない。だから未許可の状態でBが最終買主Cに「買主の地位の譲渡」を行い、それをAが承認すればよい。んでA→Cの許可申請と、売渡しを行えばよい。
 農地については、そういう「買主の地位の譲渡」スキームが固まっている( http://bit.ly/1aroxFZ 参照)ので、「直接移転」スキームは馴染まない感じがする……というのが太田の第一感だったのだけれども……。
 
 ググってみると、「直接移転」スキームで全然問題なくできる、という見解もある( http://bit.ly/1arlZYn など)。
 ま、所有権移転の停止条件に、「最終買主が農地法の許可を得ること」という1点を付け加えれば、それで良いのだろうから、使えることは使えるのだろう。
 例えばCにとっては、直接の売主がAになるのかBになるのか?という点は、瑕疵担保責任などの関係で違いが出てくるから、後者となる直接移転の方が好ましいケースもあり得る。
 
 ただ、できるにはできるが、中間者Bが宅建業者で、B自身が農地法の許可を得られる見込みが全く無い、というケースに限っては、マズいことになるかもしれない。
 B→Cの第二契約が、宅地建物取引業法第33条の2が禁止する「他人物売買」の例外に該当せず、同法違反になってしまう可能性があるからだ( http://bit.ly/1arnDcqhttp://bit.ly/1arn9TM など参照)。
 
 うーむ。もうちょっと検討してみよう。

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