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太田の業務日誌/平成25年7月5日~
 
【金曜日】
 最近、2件立て続けに、似たような「保証債務」に関する相談を受けた。
 両案件に共通するのは……。
 
 相談者が、親族である主債務者の借入れのために、所有不動産を担保提供したら、
 金融機関の内規で、「抵当権設定者」は、借入れについても「連帯保証人」にもなって貰わなければ、ということで連帯保証もし、
 後日、主債務者が破綻し、同人はさっさと破産免責。
 所有不動産は競売で失ったうえ、さらに残債務につき保証人として履行を求められている。
 相談者は高齢、無資産、年金暮らしなので、差し押さえられるようなものも無いし、わざわざ費用と手間を掛けて破産するのもどうかな~?
 
 ……というもの。
 
 担保の管理・実行の両面で、設定者が保証人であるか否か?という点でそれなりの違いが出てくるのも分かるのだけど、この「金融機関の内規」って、どうにかならないものなのかしら?
 このような担保提供のほとんどは、親族ゆえの「好意」でなされるもの。
 その不動産を競売で失うこと自体は、まぁやむを得ないとしても、それ以上の責任は負わせない、というような配慮があっても良いように思うのだけれども。
 
【月曜日】
 また!古い仮差押の抹消絡みの相談が来た!
 なんだろう。最近、やけに古い保全事件づいている。天は、本気で太田にその分野の解説書でも書かせようとしているのだろうか?(^^)

成年後見人に対する一般の方のイメージと法律に沿った立場には大きな隔たりがあります。一般の方は「後見人は何でもやってくれる。報酬まで払うのだからやって当たり前だ」と考えている方が多いです。そのような方は契約や預金管理をはじめとした法律行為の他に、買い物、掃除、病院の送り迎え、入院時の洗濯など、全般に渡り仕事をするというイメージを持たれています。

法律行為と事実行為

しかし民法によれば、成年後見人は契約や財産管理などの法律行為しか権限がないと規定していて、成年後見人は買い物、掃除、送り迎えなどの事実行為はできません。例えば、草取りなどは事実行為となるので、自ら草取りはせず、シルバー人材などと草取りの請負契約を締結し、草取りをやって貰います。また、買い物や掃除はホームヘルパーと契約し、ヘルパーさんに買い物などをして貰います。いわば成年後見人はゼネラルマネージャーみたいな立場なのです。

「親戚が自分の親の後見人になっているけど、その人は介護も一緒にしているよ」という声が聞こえてきそうです。そのようなケースを分解すれば、成年後見人としての立場と親族としての立場が混在しているということになります。入院時の契約は成年後見人として、入院時の支度(買い物)や洗濯は成年後見人ではなく身内として行動していることになります。

「そんな堅苦しいこと言わないで、やってあげればいいのに」

「そんな堅苦しいこと言わないで、やってあげればいいのに」と思われる方もいるかもしれません。私たち職業後見人は、その責任の重さから、後見業務中に本人に損害を与えた場合に備えて損害保険に加入しています。この保険は成年後見業務「内」において成年後見人に過失(不注意)があった場合に適用されます。仮に本人をベッドから下ろしたり、車で買い物に連れて行ったりした場合、これらの行為は事実行為となり、成年後見業務「外」となります。業務「外」のことで本人に損害を与えたとしても保険の対象にはなりません。保険が使えなければポケットマネーとなります。莫大な損害金の場合ポケットマネーで支払うことはできないでしょう。本人に損害を与えたとしても損害賠償もできないような無責任な行為を、職業後見人はすることができないのです。

でもやらざるを得ないことも・・・

遠方から家の中の仏具を持っていきたいという方がいらっしゃるというので、空き家の状況を見に行ったところ、草ボウボウ・・・草取りを頼んではいたのですが、順番待ちで8月になるとのこと。せっかく遠方から来るのに玄関までの道が草ボウボウだと嫌だろうし、持ち出す物も「仏具」ということからも荒れ放題は相応しくないと思い、玄関までの道を草取りしました。でもこれは成年後見業務ではありませんので、報酬に加味されず、完全にボランティアです。

人間関係が色濃い成年後見というお仕事。法律論だけでは解決しないこともあるのです。

 

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