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【債権回収会社からの請求には、適切な対応を!】 ~太田の業務日誌~
新年初の投稿になっちゃいましたね。
旧年中はいろいろ困難にも遭遇したものの、周囲の皆様のサポートのお陰でなんとか乗り切れました。今さらながら、本年もよろしくお願い申し上げます。
さて、新年早々、割と良いニュースが。
昨年後半から担当していた被告事件で、相手方(原告)の債権回収会社が、訴えを取下げてきたとのこと。
この案件、5年以上前の、業務用ソフトのリース契約から始まっておりまして、債務者はA社、保証人がA社の代表者個人B。
リース契約成立後、すぐに販売会社が経営破綻してしまったことから、必要なサポートを受けられず、ほとんどソフトを使用できずじまい。
そういう事情があったので、リース会社からはリース料の支払を求められたものの、A社は2回目以降のリース料の支払を拒否し、5年間が経過。
しばらくは催告があったものの、それも途切れ、一昨年あたりにC債権回収会社へ債権譲渡。
んで、昨年、C債権会社が、(なぜか個人Bだけを相手方として?)支払督促を起こしてきた。
……という経緯でした。
A社(&代表者B)としては、契約自体は否定できないものの、とにかく販売会社の破綻で実質利用できなかった商品だったという点で、リース料の支払には一切納得できない。
でも、そもそも業務用商品であったために、割販法などの消費者法が適用外となることから、そこをメイン論点にしちゃうと、ツラい戦いになるわけです。
A社も弁護士等にも相談したのだけど、弁護士も「払うしかないね」とのツレナイ回答だったとのこと。
その後に相談を受けた当事務所としても、理論的には戦える自信がなかったので、「契約経緯に不満があるのは分かるけど、反論はぐっとこらえて、減額和解だけを目指す交渉に徹して良いのであれば、お請けしましょう。」ということにしました。
しかも、着手金はゼロ、減額に応じた成功報酬だけを頂戴するかたちにして……。いかに自信がなかったか、ということですね(^_^;)。
しかし、実際に関係書類を精査してみると、
最後の支払から4年半くらい経過したところで債権譲渡&通知があったものの、
それからはしばらくは特に催告もなく、
同5年半くらい経過したところで、唐突に支払督促が……という経緯だったことが分かりました。
これは、「消滅時効」(商事債権なので5年間)の主張でもOKなんじゃね?と判断しまして、とりあえず、A社の補助当事者参加などの関連手続のうえで、消滅時効に絞った主張をサラッと行ったのが、昨年11月の口頭弁論期日。
そしたら、裁判官は“勝負あり”、とでもいうような表情をして、C債権回収の代理人に対し、「弁論終結でよいですか?」との仰せ。
C代理人は、うろたえながらも、「反論を準備します。」と述べ、年末年始を挟んで本年1月に続行期日が指定されていたところでした。
(※この段階でかなり爽快だったので、投稿したかったのですが、事件係属中のため、ぐっと堪えていました。)
んで、どんな反論をしてくるのかな~、と思っていたところに、写真の「取下書」が届き、めでたく解決に至った……という次第でした。
(なお、「既判力」の有無の点で、取下げにどう対応すべきか?という論点もあるのですが、そのあたりの検討はまた別の話なので、割愛します。)
A社(&代表者B)としては、納得できない債務の支払が(事実上)無くなり、弁護士さんから受けてた回答からすれば、望外の嬉しい結果。太田としても達成感のあるお仕事になったのですが……。
どうもこの案件、C債権回収の一連の対応に、疑義が多く、どうもスッキリしないところも無いではありません。
① なぜ、C債権回収は、時効期間完成直前に、内容証明の1本でも打っておかなかったのか?
それだけやっておけば、こちらに勝ち目はなかったのかもしれないのに。債権回収会社の時効管理って、かなり適当なのかしら。たしかに、他の債権回収会社でも、明らかに時効完成後の債権なのに、しれっと催告掛けてきてる事例も見るけれど……。
② なぜ、支払督促の相手方が、保証人である「代表者B個人だけ」だったのか?
債務者A社を巻き込むと、本気で応訴されて面倒とか、そういう配慮ってあり得るかしら。でも本件はABがほぼ一体だし、どっちでも一緒だと思うんだけど……。
ま、ともかく、債権回収会社から法的手続を取られても、慌てず冷静に対応すれば、道が開けることもありますよ、というお話しでした。
新年早々、長文失礼しました(^^ゞ
新年初の投稿になっちゃいましたね。
旧年中はいろいろ困難にも遭遇したものの、周囲の皆様のサポートのお陰でなんとか乗り切れました。今さらながら、本年もよろしくお願い申し上げます。
さて、新年早々、割と良いニュースが。
昨年後半から担当していた被告事件で、相手方(原告)の債権回収会社が、訴えを取下げてきたとのこと。
この案件、5年以上前の、業務用ソフトのリース契約から始まっておりまして、債務者はA社、保証人がA社の代表者個人B。
リース契約成立後、すぐに販売会社が経営破綻してしまったことから、必要なサポートを受けられず、ほとんどソフトを使用できずじまい。
そういう事情があったので、リース会社からはリース料の支払を求められたものの、A社は2回目以降のリース料の支払を拒否し、5年間が経過。
しばらくは催告があったものの、それも途切れ、一昨年あたりにC債権回収会社へ債権譲渡。
んで、昨年、C債権会社が、(なぜか個人Bだけを相手方として?)支払督促を起こしてきた。
……という経緯でした。
A社(&代表者B)としては、契約自体は否定できないものの、とにかく販売会社の破綻で実質利用できなかった商品だったという点で、リース料の支払には一切納得できない。
でも、そもそも業務用商品であったために、割販法などの消費者法が適用外となることから、そこをメイン論点にしちゃうと、ツラい戦いになるわけです。
A社も弁護士等にも相談したのだけど、弁護士も「払うしかないね」とのツレナイ回答だったとのこと。
その後に相談を受けた当事務所としても、理論的には戦える自信がなかったので、「契約経緯に不満があるのは分かるけど、反論はぐっとこらえて、減額和解だけを目指す交渉に徹して良いのであれば、お請けしましょう。」ということにしました。
しかも、着手金はゼロ、減額に応じた成功報酬だけを頂戴するかたちにして……。いかに自信がなかったか、ということですね(^_^;)。
しかし、実際に関係書類を精査してみると、
最後の支払から4年半くらい経過したところで債権譲渡&通知があったものの、
それからはしばらくは特に催告もなく、
同5年半くらい経過したところで、唐突に支払督促が……という経緯だったことが分かりました。
これは、「消滅時効」(商事債権なので5年間)の主張でもOKなんじゃね?と判断しまして、とりあえず、A社の補助当事者参加などの関連手続のうえで、消滅時効に絞った主張をサラッと行ったのが、昨年11月の口頭弁論期日。
そしたら、裁判官は“勝負あり”、とでもいうような表情をして、C債権回収の代理人に対し、「弁論終結でよいですか?」との仰せ。
C代理人は、うろたえながらも、「反論を準備します。」と述べ、年末年始を挟んで本年1月に続行期日が指定されていたところでした。
(※この段階でかなり爽快だったので、投稿したかったのですが、事件係属中のため、ぐっと堪えていました。)
んで、どんな反論をしてくるのかな~、と思っていたところに、写真の「取下書」が届き、めでたく解決に至った……という次第でした。
(なお、「既判力」の有無の点で、取下げにどう対応すべきか?という論点もあるのですが、そのあたりの検討はまた別の話なので、割愛します。)
A社(&代表者B)としては、納得できない債務の支払が(事実上)無くなり、弁護士さんから受けてた回答からすれば、望外の嬉しい結果。太田としても達成感のあるお仕事になったのですが……。
どうもこの案件、C債権回収の一連の対応に、疑義が多く、どうもスッキリしないところも無いではありません。
① なぜ、C債権回収は、時効期間完成直前に、内容証明の1本でも打っておかなかったのか?
それだけやっておけば、こちらに勝ち目はなかったのかもしれないのに。債権回収会社の時効管理って、かなり適当なのかしら。たしかに、他の債権回収会社でも、明らかに時効完成後の債権なのに、しれっと催告掛けてきてる事例も見るけれど……。
② なぜ、支払督促の相手方が、保証人である「代表者B個人だけ」だったのか?
債務者A社を巻き込むと、本気で応訴されて面倒とか、そういう配慮ってあり得るかしら。でも本件はABがほぼ一体だし、どっちでも一緒だと思うんだけど……。
ま、ともかく、債権回収会社から法的手続を取られても、慌てず冷静に対応すれば、道が開けることもありますよ、というお話しでした。
新年早々、長文失礼しました(^^ゞ