成年後見制度の実例


Q 成年後見制度は具体的にどのような場面で利用することが多いのでしょうか?


 司法書士業務に関連しての実例をご紹介します。

① 遺産分割協議のケース
 平成21年4月1日甲野太郎が死亡した。甲野太郎は八戸市内に不動産を所有していました。甲野太郎の相続人である妻の甲野花子は、その不動産を自分の名義にしたいと考え、乙司法書士事務所へ相続登記の相談に行きました。司法書士乙は事情を聴取していたところ、甲野太郎の子である甲野一郎が2年前から交通事故により受けた傷害により寝たきりとなっており、会話をすることができないことが判明した。司法書士乙は甲野一郎のために成年後見人を選任しないと遺産分割協議はできないので、成年後見人を選任する必要があるとアドバイスした。

② 不動産売却のケース
 乙司法書士事務所に不動産の売買の立会を依頼しに丙村次郎が訪ねてきた。不動産登記簿や権利証、印鑑証明書などを確認するとその不動産は丙村三郎の所有であることが判明した。丙村次郎によると、丙村三郎は父親であり、父親は認知症になっているのであるが、この程有料老人ホームに入所することとなり、その入所費用を捻出するために、早急に不動産を売却する必要があると話した。司法書士乙は、不動産の売買については本人(=所有者)の意思確認が絶対不可欠であり、三郎が認知症であり判断能力が著しく減退しているのであれば意思確認をすることはできないため、三郎に対し成年後見人を選任し、成年後見人が代理して売買契約を締結しないと、不動産の売買は進められないとアドバイスした。

③ 相続放棄のケース
 平成21年5月5日丁川五郎は数千万円の借金を残して亡くなった。丁川五郎の妻である丁川明子は相続放棄の相談に乙司法書士事務所へ訪れた。司法書士乙が事情を聴取したところ、丁川五郎の相続人は妻である明子のほかに先天性知的障害者の丁川十郎(25才)がおり、今も障害者施設に入所しているとのことであった。司法書士乙は丁川十郎が丁川五郎の相続関係が理解できないのであれば、相続放棄の申述を家庭裁判所へすることはできないので、成年後見人を選任する必要があるとアドバイスした。

(久保@わかば)






 

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