成年後見人の報酬はいくらかかるの?


2014年8月28日 / 投稿者:

成年後見制度を使うといくらかかるのですか?

成年後見制度の相談を受ける場合に必ず聞かれる質問が成年後見人の報酬に関する質問です。成年後見人が親族の場合(例えば父の後見人を娘が務める場合)には無報酬で行うことが多いと思いますが、相続や保険金請求などの法律問題がかかわる案件や、単に財産が多い場合には、裁判所は親族ではなく、研修を積んだ専門家(司法書士・弁護士・社会福祉士)を選任する傾向があります。現在全国の家庭裁判所に申し立てられる成年後見人選任事件において、専門家などの第三者が後見人を務める案件は全体の57.8%に及んでいます(平成25年の数値)。そもそも親族に後見人をやらせず、専門家を選任する理由については、前回のコラム「市民後見人について取材を受けました」をご覧下さい。

成年後見人の報酬には目安があるのです

専門家が成年後見人になった場合には報酬をいただくことになります。報酬の目安は青森家庭裁判所のホームページに、目立たないですがきちんと掲載されています。

報酬額のめやす
それによれば、成年後見人の月額基本報酬は2万円です。また管理する財産が1000~5000万円であれば月額3~5万円となっています。また相続などの特別の法律問題を解決した場合には、別途加算報酬があります。ただ、本人の財産が少ない場合には、月額1万円になったりと、本人の収支バランスを考えて、裁判所が報酬額を決定します。また、この報酬は1年間働いた分として、1年ごとに支払われることになります。

この報酬は誰が支払うのですか?

この成年後見人の報酬は誰が支払うのかですが、これは本人の財産から支弁されます。他の人(配偶者や子ども)に請求されることはありません。本人の財産がなくなった場合には、成年後見人の報酬はないこ(ボランティア)とになります。生活保護を受けている方の成年後見事件は市町村が後見人の報酬助成を予算立てしていることが多いので、市町村から頂くこともありますが、原則本人の財産から裁判所が決めた報酬額を頂くことになります。

親族の方からすれば、高い報酬だと思われるかもしれません。ただ成年後見人を務める私たちからみれば、他人の財産を預かるという大変責任の重い仕事ですので、その対価として報酬はいただくことになります。私たちもその報酬に見合った働きをしなければならないと考えています。



カテゴリー:久保隆明のblog
当サイトは、「にほんブログ村」の司法書士ブログランキングに参加しています。
↑の「司法書士」バナーをクリックして、ランク向上にご協力お願いします!



3 Comments »

  1. はま より:

    一人暮らしなので、将来は任意後見人が必要になるかと思いますが、社会的に任意後見人の利用は一般的ではありません。月額、3~5万円の費用ですが、毎月旅行に5万円程度、支払う人は多いので、高いとは言えないとも言えますが、対価が見えにくいものに支払う習慣がないために、支払う側からは高いと感じられてしまうのではないでしょうか?また、一人暮らしにおける悩みや困り事に後見人がどの程度、関与しサポートするのかも、不明確です。契約次第なのでしょうか?司法書士の後見人の団体はリーガルサポートという名称ですが、年寄りの心に響く言葉ではありません。多くの年寄りはそんなものは無縁と思うものです。将来は顧客である高齢者のニーズに沿ったサービスが展開されることを望んでおります。

  2. 一人暮らしなので、将来は後見人が必要と思っております。毎月、5万円程度を旅行に支出する高齢者は多いので、費用は高いとは言えないとは思うものの、対価が見えにくことに支払う習慣がないので、やはり抵抗があります。また、一人暮らしの困難は金銭管理だけでないので、悩みや困り事の相談やサポートもして欲しいものですが、それは契約次第なのでしょうか?司法書士の後見人の団体の名称はリーガルサポートですが、年寄りの心に響くものではありません。法的支援など自分とは無縁と普通の高齢者は思うのでは。いつの日か、もっと高齢者のニーズに沿ったサービスが展開される日が来れば良いと思っています。

  3. 久保 隆明 より:

    はまさん、コメントありがとうございます。

    成年後見制度は年々皆様の関心が高まっている制度だと思います。また公的制度でありながら、資金面では公的財源がないため、報酬の全額が個人の財産からの支出となっております。たとえば介護保険に組み込まれ、個人は3割負担ということになれば、より使いやすい制度になると思います。このことは、リーガルサポート他多くの団体が意見を出しているところではありますが、国がその声に応えていないのが現状であると思います。

    成年後見人は民法の規定に基づき、家庭裁判所より選任されますが、成年後見人は法律の範囲を超えて活動をすることができません。成年後見人は契約や財産管理などの法律行為しかすることができないのが現状です。一般市民の方がイメージする成年後見人像と法が予定する成年後見人像にギャップがあることが、はまさんのようなお考えをもつのだと思っております。

    私どもは、契約や財産管理の面からその判断能力が低下してしまった方の財産を適切に保全し、本人以外の方にその財産が使われたりしないようにきちんと管理し、その方が天寿を全うするまで安心して生活ができるように、見守って行くことがその職務であり、その報酬に見合った仕事をきちんとしていると考えておりますが、私たちもその仕事ぶりをきちんと一般市民に見せていくことが必要なのかもしれません。

    はまさん、コメントありがとうございました。

 

RSS 新着記事一覧

© 2018 あおぞら法務ネット All rights reserved - Mobile View - Powered by WordPress and Wallow - Have fun!